低平

久しぶりに風邪を引いた。
風邪っぴきの時の、時間の流れがのろまになる感覚は結構好きだ。

実家に住んでいた頃、風邪を引いて学校を休んだときは10時頃に起きて、まったく面白くない教育テレビの番組を見ることから一日がスタートしていた。祖母はその時間帯、外で農業。昼頃に一度帰ってきて一緒にご飯を食べる。猫を触ったり、PCを触ったりしながら、1日を潰す。
とにかく非生産的な時間が流れるが、焦りはない。「体調を崩している」という免罪符が、無駄な1日を肯定してくれるようだった。

風邪菌は脳に効く。風邪薬も脳に効く。思考がぼやける。
これも焦りへの特効薬だ。

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11/10

西条で演奏。アジア圏を旅する音楽家枡本航太さんと、平田さんと、DJのひとたちと。

横川駅から電車に乗り、西条駅を目指す。
西条駅は過去に何度も足を運んだことがあるが、いつも利用していた南口ではなく、今回初めて北口から外に出る。
バスのロータリーと、お寺と、団地があった。西条駅で降りた人はほかにもいたが、北口から出たのは僕一人だけだった。

団地の坂を上ると、賑やかな一軒家が目に入る。
今日の会場「ぱっきゃまらど」だ。
庭にはハンモックで揺れる少年と、酒を飲むDJ。挨拶をして中に入る。
少年が大きい声で「こんにちはー!」と言ってきたのでちょっとびっくりする。

酔っ払いと、音楽好きと、駄菓子を買いに来た子どもたちが共存していた。
不思議な空間である。ファンシーだけど、様々なカルチャーが入り混じっている。
ギターを置かせてもらった控え室にはものすごい量のレコードが置いてあった。

演奏を見たり、演奏をしたり、散歩をしたり、枡本さんのマーボー豆腐を食べたり(今年食べたもののなかで一番うまかった!)、酒を飲んだりしてすごした。

昔見た映画「パーティー51」の中に出てくる韓国の音楽家たちの熱量が好きだったので、枡本さんと韓国の音楽シーンの話をした。
日本よりもずっと直情的なひとが多くていい、と言っていた。
「僕もいつか韓国に演奏しにいこうと考えてます」と伝えると「え、じゃあ、今夜のフライトで行きましょう」と。むちゃくちゃなことをいう人だ。
「今行かないって人はきっと明日も行きませんよ」ドキッとすることをいう人だ。
「準備してから行きたい」と言うと「いい心がけです、でもきっと準備や想定の何倍もすごいことがおきますから、国がちがうと」と。
そうだ、その通りだ。

楽しく飲み、終電で帰る。
そこから平田さんちの近くの公園に行き、極寒の中、チューハイを飲む。
僕らほんとにバカで、ほんとに貧乏ですね、という話をした。

11/12

山口県の周南riseで演奏。

イベントタイトルは「あの日の再戦、さらなる宿敵」

6月にriseであったイベントに出演してたふじたけいすけ、橙乃祐理、上田一輝の3名と、その日の打ち上げにいたtony foreverの4名が再集結する、という日とのこと。そして全く関係のない僕が出演することに。

4名とも過去に1回は共演したことあり知り合いではあるが、4名だけが共有している再戦グルーヴがあったので部外者の自分はひっそりと楽屋をあとにして、早川義夫の「たましいの場所」を読む。癒され、奮い立つ。

ライブと打ち上げが終わり、橙乃祐理と音響ねぎおさんとカラオケ屋、徳山駅をはしごして飲む。
始発で島根に旅立った橙乃ちゃんの背中に手を振りながら僕とねぎおさんは「もう1杯飲みますか」などと言っている。すくいようのないバカ二名である。

コンビニに入り、酒コーナーを眺める。先ほどサンガリアの12%チューハイをまずいまずいと言いながら完飲したねぎおさんが「サンガリア以外だったらなんでもいいっすよもう、サンガリアはもう字面すら見たくないです」と言うのでサンガリアコーナーから離れたところに置いてあるマスカットチューハイを買ってロータリーのベンチで飲んだ。
飲み終わって缶をみてみると「サンガリア」と書いてあって、あぁ僕らはもうこのアルコールという沼から逃げれないかも、と思った。

7時発の電車に乗り込むと、大竹あたりで幼稚園児が30人くらい同じ車両に乗り込んでくる。遠足かなにかだろう、みんな、希望に満ち溢れた表情をしている。
この子どもたちに「朝なのに酒臭いおじさんが同じ車内にいるよ…」と噂をされるくらいなら息をとめたほうがマシだと思い、死にそうになりながら無呼吸に努めた。

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山口から戻り、バンドの練習を2回、新曲が完成した。
タイトルは「shibes」
ツイッターでフォローしていた柴犬の画像転載botのアカウント名だ(現在、元祖shibesは凍結されており、新たに出てきた偽のshibesが台頭している)

サビを歌っていると、まるで柴犬を散歩しているかのような気持ちになる。
これをメンバーに話すと、珍しく「わかる」と共感してもらった。

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11/18日曜はバンドの企画がある。

鈴木実貴子ズから広島に行きたいという連絡を受け、猛者を招集した。

オカダノリコのバンドセット、モンキービジネス、ブランクデスティネーション

鈴木実貴子ズを含めたこれらのバンド/アーティストには全て、ライブで泣かされた経験を持つ。
言葉と音楽が高純度で混ざり合って沼を形成し、そこに没入する。
喜怒哀楽を超越した感情に達すると、人は泣く。

きっと素敵な夜になるので、ぜひ、来て頂きたい。

11月18日(日) SUEZEN企画 「出会って4秒フェス 7」
場所:Rootz(広島市中区流川7-6-3F)

・鈴木実貴子ズ
・オカダノリコ(Band set)
・モンキービジネス(Acoustic)
・BLANK DESTINATION
・SUEZEN

open 17:30 start 18:00
1800円+1drink order

ご予約:otayori@dogfoodou.com

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