魯論

成田空港で見た、警察犬の凛々しい横顔が忘れられない。
警官の指示でゴミ箱の匂いを嗅いでいたが、彼/彼女の鼻はもっと高貴な香りに包まれるべきだ。
水曜の早朝にいれる珈琲や、知らずのうちに漂ってきた金木犀の香りを知っている眼をしていた。

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10/27

広島空港から成田空港へ飛行機で移動。
成田の地を踏んだ瞬間に憂鬱になり、その日の予定を諦める。
武蔵野美術大学の学祭に行ってカネコアヤノと青葉市子のライブを見る予定だった。

神田の居酒屋でいっぱいひっかけて、ネットカフェに入る。
入り口で「お客さまは無人受付タイプのネットカフェははじめてですか」とおじさんに問われる。
おじさんに機械の操作方法を教えてもらい、入店する。

東京のネットカフェは、受付が無人なのか…

しかし、あのおじさんは一体なんなんだ…無人じゃなかったのか…

まさか、”人ならざるもの”なのか…

入店して「BIRDMEN」を読む。
同じく東京入りしているミカカさんからLINEが沢山くる。僕と同じで、気力がなくてどこにも行けないのだろう。

10/28

渋谷の喫茶SMiLEにて演奏。ハロウィンの喧騒をぬって、会場へ。
銀杏BOYZの曲の「ワールドカップに浮かれる渋谷のバカどもに爆弾を落とすのさ」という歌詞を思い出す。
僕は平和主義者なので爆弾は落とさず、自分の気分だけを落とした。

クララズの企画。押野健、ミチノヒと色は違えど面白いひとたちとご一緒。
ミチノヒのキーボードの遊佐さんは、5年前くらいに広島で一緒だった壊れかけのテープレコーダーズの方だった。
終始和やかな空気でイベントは終わり。ワインを沢山飲んだ。
終演後、僕のライブをみてない人と飲んでいたら、なぜかCDを買ってくれた。

フォークバンドたけとんぼの二人と、佐渡島から来てくれたかっしーさんの二人と駅までクララズを送る。
渋谷のセンター街は発狂している若者たちでにぎわっている。
「日本中のつまんないやつらが集まってるね」といいながら早足で駅に歩くたけとんぼの二人がニヒルでよかった。

かっしーさんと徒歩で五反田を目指す。僕がとっている2000円の宿がそこにある。
恵比寿を経由して山手線沿いを歩いたり、高級住宅街のなかを歩いたり、1時間そこらの散歩。

道中で、終電後の線路を点検用の車が走るのを見る。
かっしーさんが「俺が小さい頃、夢でよく見ていたのは、これだったのか!」と声をあげる。
どうやら、彼が子どもの頃、線路を車が走る夢をよく見ていたらしい。
しかし、彼が大人になってもそのような光景を現実で目にすることはなく、高齢者が運転する車が線路につっこんだニュースを見て「あの夢の車はこれだったのかなぁ」などと思っていたそうだ。
突然の伏線回収に、二人とも嬉しくなる。

10/29

高円寺無力無善寺でミカカさんと共同企画「酒の手も借りたい」

夕方に無善寺に到着。
共演者たちが集合。リハ後、男性陣でコンビニへ酒を買いに行く。早速酒の手を借りている。
近くにきていた飯田さん、もみじちゃんが会いに来てくれる。二人と会うと嬉しくなる、僕もミカカさんも心の中の犬が飛び跳ねた。

満員の無善寺、レンヤ君、イコさん、カミイさん、みな素晴らしい演奏。
酒の手を借りすぎているバグったお客さんも何人かいる。
演者の後ろには量子論や宇宙や宗教に関する無善法師の詩が書いてある紙が無造作に貼ってある。
これぞ、求めていた地獄だ!と興奮しながらステージにあがる。

この日はトリをミカカさんにお願いした。この人の素直さが声と詞に完璧にのって、笑って泣けるライブだった。

終演後、無善法師に「このお店に出るのが憧れでした」と伝える。
「大森靖子の影響で、そういうことを言ってくれる女の子はたくさんいるけど、男の子ははじめてかも」といわれた。
「広島の人はいいね!山口組がバックについてるから!」と5回くらい言われる。たぶん、僕らにはついてない…

ハイボール100円の中華料理屋でミカカさんの飲み、近くの安宿で寝た。

11/3

バンドセットでライブ。
メンバーはノイズ君、かをるさん、ニーボード、幸子の5名。
ボケ、ツッコミ、笑い上戸が揃ったこのメンバーはとにかくずっと互いを馬鹿にしあい、ずっと笑っている。
気負いせず、ステージに集中できる。

この日はスーパーノアと8年ぶりの共演(8年て…)
この8年間、僕は彼らの2009年と2010年に出たCDをずっと聞き続けてきた。新しいCDには手をだしていなかった。

待ちに待ったライブが目の前で展開されている。曲の組み立て方がまるで変わっている。まるで別の生き物のようだった。
かつてのスーパーノアの詞とメロディは非常に映像的で、そこに寄り添うギターとベースのフレーズも映像に呼吸を合わせていたが、今のスーパーノアもそうだった。ふっと入ってくる一言で頭のなかに映像が広がる。
アップデートされつつ、芯にあるものは変わらない。一番かっこいい進化の仕方かもしれない。

終演後、ボーカルの方と話していたときに「僕はやっぱり、最新のアルバムが一番好きですね」と言っていた。
好きなバンドにはやっぱり、そうあってほしいものである。嬉しかった。

終演後、バンドメンバーと友人たちで近くの居酒屋「おっちょこちょい」に。
「おっちょこちょい」という名前を冠するくらいだから「会計の0が1つ増える、お湯割を頭からぶっかけられる、お通しが出るまでに3日かかる、豚耳を頼んだら人間の耳が出てくる」くらいの出来事があってもおかしくないよなーと話しながら入店したが、安く、おいしい、よき店だった。

今年2月にヲルガン座の周年イベントのときに作った「泣けるコード」という曲をバンドセットで組み立てなおすと、化学反応がおきた。
これは好きなものに対する感謝を歌った曲。バンドで演奏してると幸せな心地になる。感謝。

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「泣けるコード」

パワーコード三つよりカラーコードを見てた
255の夜 浮かばれない曲をかく
泣けるコードの上で歌えないこともある
泣けないときになにを思えばいいのか

わからないことが多すぎて
友達は みんな帰る

ベイビーから墓場まで
好きなものが一つもないなら
死んでしまうしかない

音楽が鳴ってよかったな
負けた暮らしの上
楽しいことは埋めている

ひとの暮らしは模倣できないから
疑ったり歌があったりするだけ

泣けるコードの上で泣けない夜もある
そんな日を待ってる

ベイビーから墓場まで
好きなものが一つもないなら
死んでしまうしかない

音楽が鳴ってよかったな
ぎりぎりでよかったよ
本当によかったよ
ぎりぎりでよかったよ

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ライブスケジュール

11/10(土)広島西条 ぱっきゃまらど

11/12(月)山口周南rise

11/18(土)広島Rootz 鈴木実貴子ズをむかえてSUEZEN企画

11/23(金祝)宇部BBB SUEZEN

ドッグフード買い太郎のライブスケジュール

ご予約はotayori@dogfoodou.comまでメールしていただくか、Twitter(@owata0)にメッセージをください(フォロー無しでも送れます)

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