単層

5/19

ダイバーキリン企画「きせつのかわりめ」で大阪へ。
塚本という町にはじめて行く。活気があるようなないような、生きてるような死んでるような、怪しい楽しさのある町だった。

会場のエレバティの近くの淀川で弾き語り。
近くで野球青年たちが4人で野球をしている。ピッチャー、キャッチャー、バッター、外野手という編成だ。
彼らの頭の中ではスコアシートを叩くボールペンの音や、愛のある歓声や心無い野次が響いているのだろうか。

この日はジャンルが寄り添わずとも音楽が寄り添うよき日だった。
広島から一緒に来てたルーペズがものすごくよいライブをしていたな。
塚本から十三まで歩いて、そこから阪急で淡路へ、打ち上げ。

ダイバーキリンの曲は季節の香りがするから好きだ。
ミニアルバム『海でもいい』は家やバスや電車でよく聞いている。

5/20

ダイバーキリンの二人が淡路ではじめたアトリという店で弾き語り。
ルーペズからボーカルのオカちゃん、ギターのタムタムも出演。
最近よく僕らと遊んでくれるモルグモルマルモの藤谷さんも出演。

前日のイベントの打ち上げ後、自営業ぽいサイケなネットカフェで軽く寝たものの、一切疲れがとれてなかったので新大阪のネカフェにいくことに。
淡路~新大阪間、徒歩40分くらいだろうか。商店街を抜けて、高架下をひたすら歩く。
時刻は朝9時頃。ほとんど人通りもなく、車もたまにすれ違う程度。静かな静かな時間が流れた。

大阪はどこに行ってもせわしなく、散歩には適していないと思っていたが、こんなにもよい道があるとは。

新大阪駅よこの広場で弾き語り。
基本的に僕が外で弾き語りをしても人が寄ってくることはない。

この日はなんと、4,5人の女性が聞いてくださったのである。
彼女らは僕の演奏が終わると近寄ってきて冊子を差し出すのだった。
「あなたはいま幸せですか?」と。

夕方にアトリに入り。
アトリは10人もいたら満席の小さなお店だ。ダイバーキリンの二人のアイデアがその空間を満たしている。
居心地のよい、よきお店だった。
お客さんも演者もわいわい。楽しい時間が流れたが、記憶を消す消しゴム飲料”珈琲焼酎”を何度か頂いたので楽しい記憶が本当の記憶かどうかわからない。

思いつきで終電で出演者たちは京都へ。藤谷さんのおうちへ。
録画してあった警察24時を見る。権力に屈しない軽犯罪者たちの屁理屈を応援しながら朝まで飲んでいた。

藤谷さんのバンドの曲『Life on Earth?』の歌詞に「青く静かに燃えていよう リンのように美しい光」という一節がある。
なんと美しい歌詞だろうか。これが頭から離れず、本人にそれを言うてしまったのだ。

『Life on Earth?』は生がテーマの曲である。
僕は生の儚さをリンの炎色反応で表現してるのかな、と思っていた。

藤谷さんがおもしろい話をしてくれる。
「人魂ってあるでしょう、心霊現象の。遺体から抜け出したリンが雨の日の夜に雨水と反応して光ってるんじゃないかっていうことを言ってる学者が昔いたんだよね。」

生の曲の中の最も美しい一節は死に関するインスピレーションからきていたのである。
完敗だ、もう駄目だ、と思った。

そんな話をしながら突然藤谷さんは眠りだす。死んだのかと思った。青い光は見えない。
家主が死んだので、僕らはそそくさと退散する。

今回共演した僕、ルーペズのオカちゃん、藤谷さん、実は全員広島産まれなのだ。
藤谷さんが京都に行ってモルグモルマルモをはじめる前、広島にいる時から、僕らは彼のことを知っていた。
破壊活動を繰り返す危険人物として認識していた。

昨年、藤谷さんと対面し、酒を飲み、僕は次のようなことを言うた

「いやぁ、あの藤谷さんと飲めるなんて!」

彼はそれを回想しながら

「『あの藤谷さんと飲めるなんて!』と言われてさ、嬉しかったよ。そんなことを本人に言うなんて、絶対こいつ性格悪いだろうなって思ったけどね」

とこぼす

しかし、認識に間違いがあるのだ

『あの(モルグモルマルモの)藤谷さんと飲めるなんて!』

ではなく

『あの(凶暴で危険人物だと思ってた)藤谷さんと(平和に)飲めるなんて!』

これが正解なのだ、ごめんなさい。

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5/24

広島のクアトロに踊ってばかりの国/青葉市子のライブを見に行く。

青葉市子の実在を確認し、震え上がる。
あ、この人、CDの中だけじゃなくて本当にいたんだ…なんてバカなことを考えて、それが数秒で消し去るほど透明な時間をすごす。

この日の主役、踊ってばかりの国の登場。新編成になってからみるのははじめてだった。
ボーカル下津さんが「あれ、広島?」と言う、そう、この日、広島のフロアは沸いてなかったのだ。
それもそのはず、演奏がよくなかったのだ。

みていて悲しくなるほどだ。
新曲も、『!!!』『サイケデリアレディ』などの名曲もとにかく踊れない。

もう新メンバーたち、全員脱退してくれよ…と失礼なことを思っていたら、爆音のフィードバックノイズが鳴り出す。
4枚目に収録されてる『ほんとごめんね』だ。目の覚めるような演奏だった。
メンバーそれぞれが持つだるいグルーヴがうまくもつれあっている。

本編最後の『Boy』これがとにかくすばらしかった。

公園か、小学校の裏の基地か、昼寝のときにみた夢の中か、いつどこで落としたかもわからず、最初から持っていなかったかもしれない、永遠に拾えないあの純粋さ。それがこの曲のなかにつまっている。

過去に偉大な曲をたくさん使っていても、今がよくなければライブにいく価値はない。
こんな曲を書いてくれるなら、きっとまた彼らのライブを見に行くだろうな。

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5/26

山口周南RISING HALLで演奏。
害虫対策でシベリア軍管区の基地くらいの室温にして寝た結果、体調を崩したので新幹線で移動。

RISING HALLはとにかく広い。ポートボールをしても怒られないくらいホールが広い。
打ち上げ花火を打っても問題ないほど、天井が高い。
音と光の解像度が高く、特にバンドは映える。
この日もよい演奏をみた。佐賀のもう二度と逢えない私へ、長崎のCODE AXEはまたみたい。

自分も集中してよき演奏ができた。

周南でのライブの打ち上げ後は広島行きの終電はもちろんなく、いつも徳山駅前のネットカフェを使っていたのだが、これがつぶれたらしい。
隣町のネットカフェにブッカーのケンジさんに送っていただく。

「櫛ヶ浜駅まで徒歩10分くらいやけぇ明日はそれに乗って帰りんちゃい」との助言。
歩く、歩く、歩く…歩けど歩けど櫛ヶ浜駅は見えず。どうやら道を間違えたらしい。
地図アプリを起動するもGPSがバグっており、自分がいまどこにいるのかがわからない。
あたりはディストピアな風景が広がっている。30~40年前に廃業したぽいたばこ屋、不思議な標語が書かれた工場の入り口などをみながら歩く。

1時間ほど歩き、櫛ヶ浜駅ではなく、徳山駅につく。
徳山駅が近づいて、見慣れた景色が目に入ってきたとき、安心感と寂しさが同時にこみあげてきた。
迷った道中の異世界のような道が気に入っていたのだろう。
徳山-岩国間の電車に乗り込み、バレー部かバスケ部の女子部員たちの恋愛話を遠くに聞きながら眠った。

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ライブスケジュール

6/9 広島/ふらんす座
6/23 山口/周南rise(バンドSUEZENで出演)
6/30 広島/五日市某所

ドッグフード買い太郎のライブスケジュール

ご予約はotayori@dogfoodou.comまでメールしていただくか、Twitter(@owata0)にメッセージをください(フォロー無しでも送れます)

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